一人で夜中、窯を焼いていた時、その煙が山を下ってゆくのが見えた。
窯の上の電燈の光に照らされて、まるで円を描くようにぐるっと輪をかいてゆく。
その白く浮かんだ輪を、白磁で作ってみたらどうだろう?
小さな光の中に、一瞬の輝きを感じ、時間を止める事が出来る。
たぶん10分位の時間だったと思う。
でもその感覚はとても新鮮で美しい情景であった。
ひとつの感動が、私を前へと動かしていく。
仲間と共になら、大変なことも楽しんで越えてゆける。
個展を終え、ライティングの最後の火を吹き消して、その暗みが戻ってくる。 |